消防署から焙煎所へ:Tradition Coffeeの心臓部
コミュニティとつながりを大切にするTradition Coffee Roastersは、元消防士の情熱とハワイでの新たな挑戦から生まれた、想いのこもったコーヒーブランドです。

Japanese blog translated by Sky Kikuchi
Tradition Coffee Roastersの物語は、コミュニティ、強さ、そして美味しいコーヒーが欠かせなかった場所、消防署から始まりました。
クイーンズ出身の元FDNY(ニューヨーク市消防局)中尉ブライアンは、21年間ニューヨーク市に奉仕しました。その間、コーヒーはただの飲み物ではなく、儀式のようなものでした。各シフトの始まりには、テーブルを囲んで熱いコーヒーを共有し、消防士たちが未知の現場へ向かう前に心を一つにしました。コーヒー自体は特別な賞を取るようなものではありませんでしたが、つながりや目的意識、そしてその日の活力を与えてくれました。
そして人生を変えるイタリア旅行が訪れます。
そこでブライアンは、コーヒーが持つ本来の力—力強く複雑で豊かな風味—を初めて味わいました。一口の濃厚なイタリアンエスプレッソに心を奪われ、その美しいエスプレッソマシンの背後にいたバリスタと(主にジェスチャーとつたないイタリア語で)会話を交わし、夢が芽生えました。その瞬間が、Traditionの種を蒔いたのです。
消防署を退職した後、ブライアンは焙煎に全力で取り組み始めました。最初は趣味でしたが、すぐに情熱へと変わりました。グラフやチャート、カッピングノート、そして趣味のキッチンとは思えないほどの機材が次々と揃いました。パートナーのリンジーは笑顔でこう振り返ります。「あの時、趣味以上のものだと確信したわ。」
ウォール街でファイナンスの仕事をしていたリンジーも変化を求めていました。彼女の母親がカイルアで育ったハワイとのつながりもあり、唯一アメリカでコーヒーが栽培されている州で何か意味のあることを始めることは自然な選択でした。ブライアンとリンジーは共にハワイに移住し、Tradition Coffee Roastersを立ち上げました。
私たちの信念は、コーヒーが「つながり」であることです。にぎやかな消防署でも、静かなキッチンでも、あなたのお気に入りのカフェでも、コーヒーは人々を結びつけます。会話を生み、手を温め、忙しい日常にひとときの休息をもたらします。それが私たちの築く場所、ブランド、そしてコミュニティの基盤です。
私たちの価値観はすべての行動を導きます。豆に触れるすべての手を尊重し、意識的な調達に努めています。農園からカップまで、無駄を最小限にし、地球を守り農家を支える栽培方法を推進します。味わいだけでなく、そのすべての過程に意味があります。小ロットでの焙煎、バリスタや家庭のコーヒー愛好家への継続的なトレーニング、細部へのこだわりは、あなたが違いを感じられるようにするためです。
私たちはこの島の暮らしを愛し、地域への還元を大切にしています。地元の学校との連携、NPOへのボランティア、カフェでの隣人との交流など、Traditionは人と人とのつながりを育むものです。コーヒーは常に進化する技術であり、私たちは学び続けています。教育やクラス、ストーリーテリングを通して、お客様やパートナーと共に成長することを楽しみにしています—一杯ずつ。
経験豊富なコーヒー愛好家も、これから旅を始める方も、私たちはいつでもあなたを歓迎します。ぜひ気軽にお声がけください。クラスに参加したり、コーヒーの質問をしたり、ご自宅用に豆を買ったり。私たちはただの焙煎所ではなく、成長する家族です。あなたもその一員になりませんか?
Tradition Coffee Roastersでは、ただコーヒーを淹れているのではありません。ひとつひとつのカップで、「つながり」を淹れています。